屋上緑化の省エネ効果

省エネ効果が期待できる屋上緑化
右図は夏季における屋上面の温度について、屋上緑化を行ったものと行わないもので比較した図を示しています。これによると、屋上緑化を行った建物は、気温が上昇する日中で緑化を行っていない建物より大きく屋上面の温度は低いものとなっている。特に日中の気温がピークを向かえる12~13時前後では30℃以上の差となっています。これは屋上緑化で必要となる植床土壌が建築スラブに熱を伝えないことに起因しており、特に緑化に対する灌水を過不足なく与えることで、熱の躯体伝導を大きく減らすことができるものと考えられます。
屋上面の温度を下げることができれば、必然的に建物内部の温度が下がり、エアコンなど空調設備の稼働率を減らすこととなり、電力や重油などエネルギー媒体の節約となります。
近年、緑化による荷重を軽く抑える事が可能な、浅層によるセダム緑化を行った室温、天井温度と、緑化を行っていないものを比較すると右に示したように、最大で3℃程度緑化を行った方が低くなります。比較的乾燥に強く水を必要としないセダムを用いてもこの程度の差が生じており、灌水を適宜行うことでより大きな効果が得られるものと考えられます。
そこで私たちは、
(1)緑被率を大きくとり、熱の躯体伝導を抑制すること
(2)最小限度の植床土壌厚での緑化を行い、イニシャルコストの軽減を行うこと
(3)芝生や地被類を多用することで、薄い植床土壌厚でも緑化が可能となること
(4)自動灌水装置を利用することで、室内温度の低下を図ること
以上4つの基本的な方針の基に、省エネを目的とした屋上緑化を目指しています。